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Sony CSL Symposium@MoMA NYCに参加しました!

9/22、MoMA (The Museum of Modern Art, New York)で開催されたSONY Computer Science Laboratories,inc. (SONY CSL、ソニーコンピュータサイエンス研究所)のシンポジウム『THE POINT OF KNOWING』に参加してきました。

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このシンポジウムは、SONY CSL発足25周年を記念したもので、米国開催は初めてだそう。


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SONY CSLは、ご存知SONY傘下にある研究所です。

純粋にコンピュータサイエンスに関する研究を行う場として1988年2月に設立されました(SONY CSLより

現在は、

「来るべき21世紀に照準を合わせた、コンピュータの歴史に残りうる価値を持った独創的な研究を行い、これによって広く社会・産業の発展に貢献するところにあります。」

上記の設立趣意の精神を受け継ぎながら、

システム複雑系、脳科学、意識と認知の機構、システム生物学などを研究テーマに加え、相互に影響を与えつつ新たな価値創造に向けて幅広く研究活動を展開しております

とのこと。

MoMAのカンファレンススペースには、あっという間に席が埋まるほどの人が集まり、開演時には立ち見客も出るほどでした。
米国開催初ということもあり、ニューヨーカーからの関心の高さが伺えます。

受付では、このような素敵なパンフレットが配られました。

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なかには、当日登壇予定全員のプロフィールと研究テーマが書かれたカラーコピーの用紙と、SONY CSLの歴史や、研究員の紹介文が書かれた冊子。な、なんて手間(とお金)がかかっているんだ…!!

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シンポジウムは、代表取締役社長の北野宏明さんの挨拶から始まりました。

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まず北野さんが披露してくださったのは、電力が行き届いていない発展途上国で行った支援活動のもよう。

特にソーラーパネルを利用して、ワールドカップのパブリックビューイングを行った映像は、集まった現地の人々から沸き上がる歓声、子どもたちの弾けんばかりの笑顔がとても印象的で良かったです。

そして一人ずつ、自身の研究テーマを発表していきます。

SONY CSLは、

この研究所の基本的な研究テーマに基づいて、ひとりひとりが自分自身で目標を立てて研究を遂行します。そして、その研究成果である論文や研究用ソフトウェアなどは、すべて研究者個人の名において発表されることになります。 これは、当研究所が、研究とは本来、個人あるいは個人の自由意志に基づく集団が自発的に行うもので、研究所はそれをサポートする存在に徹するべきだと考えているからです。

とある通り、研究者自身がテーマを立て、それに沿って研究を続けています。
なので、シンポジウム当日も、「音楽」「農業」「義肢」「建築」「エネルギー」と多種多様な研究テーマが発表されました。

奥さまが出産間近で、会場に来れなかったという方は、こんな形で日本から生プレゼンが…!

写真だと少し分かりにくいですが、左の白いシャツの男性がプレゼンターです。義肢の研究をされている方でした。

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2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでに、義肢のアスリートが健常アスリートのタイムを超えられることを目標にしているんだとか。
非常に興味深い研究でした。

どのテーマも面白かったのですが、なかでも私が一番興味を持ったのは、著名な研究者である、暦本純一(Jun Rekimoto)さんのテーマです。

暦本さんは、「Jack-in」という表現を用い、研究をしていらっしゃいます。

Jack-inについては、この動画が参考になるでしょう。
被験者の動きと、ドローンの動きが完全に一致していることが分かります。


Jack-inと
は、機械を介することで、人間が”他の人間の環境”に入り込むことができ、その状況や体験を共有したり共同作業を行ったりできるテクノロジーのことのようです。

シンポジウムでは、鉄棒のトップアスリートの頭に360度計測可能なカメラを設置し、どういう形で大回転が行われているのかという映像を流すと共に、この体験を他人に共有できるという説明がされました。

Jack-inで検索したところ、次のような一文を発見しました。

言っていることは難しいですが、おそらく伝わると思います。

このようなインタフェースは,現場の作業を遠隔地の専門家が支援したり,現地での体験を他の利用者に伝送する,遠隔から作業者を誘導する,などの応用に適用できる。Bodyと呼ぶ,実環境にいる利用者の一人称映像を遠隔地の利用者(Ghost)が観測し状況を共有する.さらに,Ghostが自由な視点位置で環境を観測することを可能にするために,一人称映像のシーケンスからSLAMに基づいて空間をモデリングし,擬似的にGhostの視点外から状況を観測することを可能にする「体外離脱視点」を提供する.これにより,GhostBodyに追従しながらも独立な視点で環境を観測することができ,一人称映像特有のモーションシックネス問題も解決することができる.また,GhostBodyを効果的に支援できるように,Bodyの視野外にある事物をポインティングするための視覚化技法を提案する

シンポジウムは前半、後半と2部制に分かれ、後半の冒頭には、同社のファウンダーである所眞理雄さんが、”Open Systems Science”についてお話されました。

”Closed Systems Science”との対比関係にある、考え方のことです。

今回のシンポジウムの目的そのものとでも言えるでしょう。
研究所で作られたテクノロジーを内部に収めることなく、外部と協力しあうことで、世界中にある様々な問題解決に努めたい、ということなのだと思います。

所さんのお話の中で興味深かったのは、次のスライドです。
10年ごとにどんな転換期があり、何に取り組んできたのかを示す簡潔なスライドですが、面白い。

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The 1st Decadeで、AIBOとPS3の写真が出てきた時は、会場内から大きな歓声と拍手が起こり、改めてSONY製品が、世界中に影響を与え、愛されていることを感じました。

日本からだけでなく、SONY CSL Parisからもいらした研究者の発表もありました。
この方のテーマは、「音楽のスタイル」についてです。

この研究者は、音楽家が作る音楽には、「その人独自のスタイル」があると考えています。

初めて聞いた曲だけれど、なんかこの曲あの音楽家のっぽいな…と思ったらやっぱりそうだった。
これは、その音楽家のスタイルが別の楽曲にも反映されているから、というのがその研究者の仮説です。

その仮説を立証した実験が、こちらの映像。
途中までピアノを弾いている男性の「スタイル」を読み取り、そのスタイルを元に、次の演奏を予想してピアノが勝手に演奏を始める、というものです。

講演では、著名な音楽家の元に行き、彼のスタイルを抽出して作られた「あならたらしい楽曲」を実演してみせ、その音楽家を興奮させたという一幕も動画で披露されました。
ユニーク、かつ興味深い研究であることは、言うまでもないでしょう。

この方の実験については、他にも色々な動画があるので、興味ある方はこちらから見てみてください!

SONY CSL-Paris YouTube

当日の講演はすべて英語で行われたので、私の理解力では100%どころか50%ほどしかわかりませんでしたが、それでも非常に有意義な時間を過ごすことができました。

一緒に行こう! と誘ってくれた夫に感謝です。


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