2012年6月、26歳の時にフリーライターになり、早くも4年目に入りました。
お陰さまでニューヨークに来てからの仕事も安定し始め、「人物/企業インタビュー」「イベント取材」「翻訳記事」「コラム」と自分のやりたかった仕事をまんべんなくこなせています。
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昨年、私と同様に20代で独立した方々のインタビュー集を出版しました。
自分自身のことも書いているのですが、その中でフリーになった理由として一つだけ触れなかったことがあります。当時の私は、その理由はもしかしたら、読み手によっては不快感を与えてしまうかもしれないと考え、悩んだ挙句書きませんでした。
でも今もその理由は変わっておらず、むしろ、やっぱり私はこの理由があったからこそ、フリーになりたかったんだという気持ちが強くなっているので、あえてここで書いておきます。
まずライターになりたかったのは、文章を書くことが好きだったから。これが一番の理由です。
加えて、これは父が結婚式の時に、私宛に読んでくれた手紙の中で言ってくれたことなのですが、”大学時代に男子アイスホッケー部のマネージャーをし、選手を「応援」する立場だった君は、今ライターとなり、世の中でまだ知られていない「会社」や「サービス」(そして頑張っている「人」)を活字を通して「応援」していきたい、と考えているなら、紫都の人生は一貫している”
言われるまで気付かなかったのですが、確かにそうなのかもしれません。やっぱり生きている以上、仕事をしている以上、誰かの役に立ちたいし、もちろん、ありがとうって言ってもらいたい。私にできることは、素敵な会社、サービス、人を見つけ、それらを私の視点で活字にし、より多くの人に知ってもらうこと。
そしてその記事を通して、誰かの役に立ったり、「この人の生き様に勇気をもらった。よーし、今日も頑張ろう」と、一歩を踏み出すきっかけになったら嬉しい。
少なくとも私は会社員時代、通勤時に、新聞や雑誌でインタビュー記事を読み、たとえ全く知らない人だとしても生き方や考え方に感動し、自分が今日頑張るための糧とさせてもらった経験が、数えきれないほどあります。
だから今度は、自分がそれを誰かに感じてもらう側に回りたい、と思っています。
でも、「何でフリーじゃなきゃダメなのか?」 というと、「組織が苦手だから」という理由もあるし、「会社に属してしまうと、範囲が狭まってしまうから」という理由もあります。
そしてもう一つ。「子どもを育てながら、仕事をしたかったから」。
これが書籍には書かなかったもうひとつの理由です。
私の母は専業主婦だったので、家に帰ったらいつも自宅で「おかえり」と言ってくれました。
小さい頃、目黒区の小学校に通っていた私の周りは共働きの家庭が多く、台風の日など、予期せぬ事態で学校が早く終わり、親御さんが学校まで迎えに来なきゃいけないという時、「いつまでたってもお母さんが迎えに来てくれない…」と泣きそうな顔をしている友人を何人も見てきました。
そんな時うちの母は、私だけでなく、近所の子どもたちもまとめて連れて帰っていたものです。
私は、必ず迎えに来てくれる母の存在が頼もしかったし、自宅の鍵を持たずに学校に行けることにも感謝していました。(私は、「鍵っ子」という言葉が苦手でした)
とにかく「帰ったら家に母がいる」ことがとても嬉しく、そして安心だったことを覚えています。
だからできたら自分も母親になったら、そうなりたいと思っていました。でも私は専業主婦向きの性格ではないし、何より仕事が好きなので(&ニューヨークは物価も家賃も日本とは比べ物にはならないくらい高いので、共働きでないと生活がしにくいという事情もあります)、仕事を辞めるという選択肢は私にはなく、できれば自宅で仕事をしながら、家事・子育てもできるよう、早いうちから手に職をつけたいと考えていました。
私が20代のうちにフリーランスに、とこだわった理由も、そういうことからです。早く独立すれば、その分早く経験が積めるので、いつか自分が子育てをする段階になったら、ある程度自分の裁量で仕事をしながら、子育てもできるのでは。そう考えました。
そして実際29歳になって妊娠をし、今まさに、少しずつ大きくなってきたお腹で仕事をしながら、出産前後の予定をクライアントと話し始めています。
幸い、今話がついているクライアントは、皆さん私の事情を理解してくださり、出産前後は多少ペースを落としても構わないから、継続してほしいと有り難いお言葉を頂戴しているところです。
これからもベースは、「応援」し、「人の役に立ち」、「誰かの背中をそっと押せる」ような記事を書き続けることですが、子どもが生まれたら、また書く幅も広がるかもしれません。そう考えるのも、楽しみの一つだったりします^^
4年目、5年目は取材ペースを落とし、自宅作業を増やす予定ですが、可能な限り多くの人のお話を聞くことができたらと思っています。
さて写真は、大きくなってきた私のお腹に手を回す、子猫のわらび。
「ママ、この大きなボール何?」という声が聞こえてきそうです(笑)
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