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【育児記録16】未熟児網膜症治療のため硝子体手術を行いました(左目)

前回のブログでお話していた通り、娘の未熟児網膜症が再発し、手術になるか? ならないか? というところでしたが、すでに両目とも網膜剥離が始まっているとのことで、1月8日に、より状態の悪い左目だけ「硝子体手術」を受けました。


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★参考:『未熟児網膜症』

▲手術直前。Supergirlの衣装と共に!
あなたなら大丈夫、の願いを込めて。

「明日、目の件で話せませんか?」と定期検査を終えた眼科医からテキストメッセージが送られてきたのが手術3日前。(主人と眼科医は互いに電話番号を交換し、テキストメッセージをやり取りし合っています)。

そしてその翌日病院に行き、眼科医と話をしました。

内容は以下のとおり。

・目の網膜剥離が始まっています。
・未熟児網膜症のレベルで言うと、ステージ4という段階です。(※ステージ5が一番重い)
・これまで「2度のレーザー治療」「冷凍凝固治療」を行い、部分的に、未熟児網膜症を引き起こす「目の中の異常な血管の発達」を食い止めてきましたが、残念ながら進行が止まらないので、手術をした方が良いでしょう。
・手術をしなければ、(ほぼ確実に)失明します。
・手術は、一部の目の組織を切除するものです。
・子供によっては目全体(360度)の手術を必要とすることもありますが、お嬢さんの場合は幸い1箇所で済みそうです。
・所要時間は45分程度でしょう。

私は、「成功確率は?」と聞きました。

眼科医は私の目をじっとみつめ、少し困ったような表情を浮かべながら、

私はこの手術をこれまでに何度も行ったことがあります。
もちろん成功したこともあれば、成功しなかったこともあります。
確率は…そうですね。25%でしょうか。

25%、つまり75%は「成功しない」ということです。

成功しない確率の方が圧倒的に高い。

この場合の「成功しない」とは、手術をしても、血管の異常発達が止められず、最終的に失明するということです。


リスクをとって手術をしても、75%の確率で失明するかもしれない。

これは、親として恐怖以外の何でもありません。

でも25%は可能性があります。

高くはないですが、決して低い数字だとも思いません。

私たちはその可能性に賭け、手術してくださいとお願いをしました。

もう眼科医とは何度も何度も話し合いを重ね、3度の治療をお願いし、ある程度信頼関係は築けています。

それに、私自身、小さい頃から将来的に緑内障を発生する可能性が高いと言われてきたので(父が緑内障持ち。遺伝の傾向が強いのか、小さい頃から眼圧が高めでした。実際に、昨年緑内障を発症しましたが、現在はレーザー治療が効き状態は安定しています)、何度も何度も、目をつぶり歩く練習を続けてきて、その恐怖についてずっと考え続けてきました。

できることなら、娘には、この世界を、自分の目で見せてあげたい。
この世界には美しいことだけでなく、思わず目を背けたくなる汚いこともたくさんあるけれど、でもその全てが、あなたが生きる世界なのだから、それを全て受け止めて、強くたくましく生きていってほしい。

そう伝えくて、25%だろうとその可能性に賭け、手術は2日後の午後12時〜に決まりました。

そして手術前日、もともとソーシャルワーカーから、「未熟児の親は退院前、必ず人工呼吸などの処置方法を学ぶ必要があるために、一度Family Meetingを設定させてください」と言われていた日時でもあったので、主人と病院へ行くと、ドクター、ナース、私のために来てくれた通訳同席の元、現在の娘の状況について説明がされました。

子どもたちが生まれ、入院した直後にも、「Family Meeting」はありました。その時は日本から来ていた、義母、私の母も同席していました。

当時は、頻繁に「Critical(深刻な状況)」という単語が使われていましたが、今回のトピックは、「すでにIntensive Care(集中治療)は必要ありません」だったので、時の流れと言うか、ああここまで来たんだなと、なんとも言えない感動がありました。

一方で、新たな事実も発覚。

ここ3週間ほど哺乳瓶による母乳投与が行われてきましたが、年末頃から、哺乳瓶によるミルク摂取指導にあたってくれている専門家が、「飲み込む時に変な音がするのが気になる」と言っていました。

それに加え最近は、哺乳瓶でミルクを与えている時、咳をすることもあったそうです。

そこで、何か問題が起こっていないか、2日にわたり検査が行われました。長い間カテーテル(胃まで入ったチューブ)を入れている子供は時々、「ENT(Ear、Nose、Throat)」に問題が生じることがあるそうです。

その結果、娘が飲んでいるミルクの一部が胃ではなく、気道(肺)に入っていることが判明しました。私たち大人でも、時々、水が気道に入ってしまいむせることがあります。娘が咳をしているのもそういう理由からだったそうです。

量次第でもありますが、気道に入っても咳をすれば、水分を出すことができるので、問題はないそうですが、念のため哺乳瓶の使用が中止になり、感染症を防ぐための抗生剤を投与することになりました。

とはいえ、いつまでもカテーテルに頼っているわけにはいかないので、ドクターが、『G-tube』(胃ろう)と呼ばれる器具をお腹に差し込む手術をしましょうと提案してきました。お腹に差し込んだ器具から、直接胃にミルクを入れるというものです。

早ければ、目の手術と同じタイミングで施術すると言われていましたが、実際には、まだ行われていません。

ドクターによると、G-tubeにはいくつものメリットがあるそうです。

・カテーテルと違い、抜き差しを繰り返す必要がないので、感染症にかかる可能性が減る
・手術自体はとても簡単にできる
・直接胃に届けるので、気道に入る恐れがない

一時的にG-tubeによるミルク投与になりますが、「自宅に帰る」という目的を達成するには、ゴール=「哺乳瓶/または私の胸からミルクを飲む」に向かわなければいけない、という点に代わりはありません。

そこでドクターからは、「すでにお嬢さんは、目の問題以外でIntensive Care(集中治療)は必要のないレベルになりましたが、食事の摂り方を含め、引き続き24時間ケアは必要なので、子供向けのリハビリテーション施設に転院することをオススメしますと言われました。

NICUは、「生死に関わる集中治療」をするところなので、目の問題以外大きな心配事がなくなってきた娘は、NICUは卒業時期に来た、ということです。

ただし、G-tubeを入れながら、改めてゼロベースで哺乳瓶で飲む練習を始めなくてはいけない(気道ではなく、胃まで届ける訓練)娘にとって、まだ24時間ケアは必要なので、それらのサポートをしてくれる他院で、自宅に帰るまでの期間を過ごす必要があるようです。

どのくらい入院が必要なのかは、子供によって違うとのこと。

手術が終わり、懸念事項がクリアになれば後は退院だー! と思っていただけに、これにはガックリきてしまいましたが、問題がある状態でうちに迎えても不安は尽きないと思うので、すべての問題が解消されてから気持よく迎えた方が、双方にとって幸せだろうと考え直すことにしました。

候補として紹介されたリハビリ施設は、私たちが住んでいるマンハッタンから1時間以上かかる少し遠いところばかりなので、これまで以上に通院が大変になりますが…まずは見学に行って来たいと思います。

そして手術当日。

予定より約1時間押しで手術が始まりました。

点滴は頭に付けられ(手足は手術のために、色々な器具が付けられる)、見ているだけで痛そう…。

 

可動式の保育器に乗せられ、手術室に移動する前の準備がいろいろと進んでいきました。

そして最後に、人工呼吸器を肺まで入れるタイプのものに替えられ、準備は完了。

▲この状況でも、寝方に大物感漂う頼もしい娘

仕事先から向かってくれた主人も合流し、二人で娘をお見送り。

ナースにお願いし、息子の写真を保育器に乗せ、手術室まで持っていってもらいました。

そして約1時間半後、無事娘が帰ってきました。

▲ただいま!
元気にT.M.Revolutionポーズだよ!
(カラダが夏にナル!)

ゆるやかに効く全身麻酔が入れられていたとのことで、痛みはほとんど感じないまま手術は終わったようです。ナースはそれが良かったと言っていました。

手術後、眼科医と別室で話をしました。内容は次のとおり。

・右目、左目とも手術前に検査をしました。
・右目は左目よりも状態が良いこと、また、現在の状態からいって、右目は血管が多く、手術をすると、出血が止まらなくなる恐れがあるので、今回は見送りました。
・手術をするために”スペース”を確保する必要があったので、目の中にあるレンズは外しました。
・レンズを外したので、将来的にメガネやコンタクトレンズなどで矯正をする必要があるでしょう。
・今日の時点では、予定していた手術は、ほぼ完全に達成できました。
・しかし、成功したか判断するには、数週間経過観察をしないといけません。

まだ状況が確実に分かるまでには、もう少し時間を必要としそうです。

加えて、右目の状態も見続けていかなくてはいけないので(うまくいけば、手術を必要とせずに進行が止まるかも…!)、転院まではもう少しかかりそうです。

いずれにしても、無事第一段階クリアとなりホッとしています。

よく頑張った娘、そして姉(娘)を守ってくれた弟(息子)に感謝感謝です。


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