LITTLE PUMPKIN インタビュー

【Interview Vol.2】子どもの学習意欲を維持する秘訣は、あえて母親が褒めすぎないこと!?—Kanakoさん後編—

2015年、ご家族とともにNYに越してきたKanakoさんに、「海外子育て」というテーマでお話を聞いています。もともと幼児教育に関心があったというKanakoさん。NYに来て、小学校に通う娘さん(7歳)、まもなく現地の幼稚園に通い始める息子さん(4歳)を通じてアメリカの教育事情をいろいろ学んでいるところだと言います。後編は、Kanakoさんが面白いと感じるアメリカの幼児教育と、渡米してお子さんたちに起きた変化について教えていただきます。

気軽に体験できる「キャンプ」は魅力的

—お子さんたちは何か習い事していますか?

下の子(息子)は何もしていませんが、上の子(娘)は日本にいる頃からピアノを続けています。また週に1回、補習校の代わりに日系の塾に通っています。自宅では日本語を使っていますが、現地の小学校に通っているので日本語の読み書きもしっかりできる子になってほしいからです。

最近は、「ジムナスティック」という器械体操を教えてくれる教室に通い始めました。現地小学校の体育の時間はダンスやボール遊びがほとんどで、日本のように鉄棒や跳び箱を習いません。

日本で通っていた保育園の体操教室ですっかり鉄棒にはまってしまった娘は、棒を見つければ所構わずぶら下がるほどだったので、習わせてみることにしました。クラスのお友だちと一緒に楽しく通っています。あと厳密には習い事ではないですが、「キャンプ」にも時々参加させています。

—「キャンプ」というのは?

短期集中講座のようなものです。1日で終わるプログラムもあれば、2ヶ月ほど通ったり泊まりがけで行ったりするタイプのものもあります。内容は友だちとワイワイ楽しむことを目的にしたものから、水泳、サッカー、テニス、野球などのスポーツや、ピアノ、バイオリン、ギター、ドラマ(演劇)などの音楽、サイエンスやプログラミング、なかにはマジックを学ぶものまで。種類も豊富なので、その中から興味を持ったものに任意で参加できます。

こちらの子どもたちは、本人が興味を持った習い事を気軽に始めてみて、向いていなかったら次にいくかシーズンごとに習うスポーツを変えるかという感じで、割とポンポン習うものを変えていくようです。そういう意味では、キャンプはお試しで始めたい子、短期集中でレベルアップしたい子、どちらにも対応できるのがいいですね。

人気のサマーキャンプは半年前から申し込みが始まって、定員に達すると締め切られてしまうので、うちも子どもたちと相談しながら早めに決めようと考えているところです。

夏のサマーキャンプ以外にも、春休みや冬休みに参加できる「ブレーク・キャンプ」や、一日限りの「ワンデイ・キャンプ」もあります。先日の大統領選の日は公立学校が休みだったので、娘は私が通っているフィットネスのワンデイ・キャンプに参加しました。

休みに連れていくところに困ったら、とりあえずキャンプに入れようかな? という選択肢があるのはいいですね。働いている親にとっても助かるサービスですし、何より、子どもの知的好奇心を広げる面白い取り組みだと思います。

f2fef0_31cc79b49e2c42df9b6c18fcd3a4c19b-mv2.jpgニューヨークサイエンスミュージアムにて娘さんと楽しんでいるKanakoさん。
お子さん2人ともミュージアムが大好きで、最近年パスを購入したのだとか

精神力、体力ともに身につけてほしい

—Kanakoさんが日頃子育てをする上で大切にしている、「マイルール」はありますか?

将来的に仕事でも趣味でも「これをやりたい!」と子供たちが思ったとき、思う存分出来るような精神力、体力を身につけられるようサポートをすることです。

自分が社会人になって思うのは、体力って本当に大事だなと。せっかく楽しみにしていたイベントがあるのに、体調不良で行けなくなっちゃったらもったいないですよね。「人生を楽しむためには体力があった方がいいよ」と子どもたちには伝えています。

特にアメリカには、精神的にも体力的にもタフな人たちが多いので、20年後もし子どもたちがグローバルに活躍したいと考えたとき、こういう人たちと混ざるのかと思うとやっぱりこちらもタフじゃないと渡り合えないなぁと思うんです。上の子は女の子ですけれど、女の子だからとかそういうのはまったく考えず、とにかく強く育ってほしいと願っています。

日本で人事の仕事をしていた時にも同じようなことをずっと考えていました。年齢に関係なく、ここぞという時に精神的にも体力的にもタフでいられる人って何が違うんだろうって。社員について考えているうちに育児でも共通することがあるような気がして。

もちろん人それぞれタイプも事情もあるので一概には言えないですけれど、小さい頃からの積み重ねで鍛えられる精神力もあるのかなと思い、子どもたちには体力をつけることと合わせて、精神的にもタフでいられるようなサポートを心がけています。

運動は夫がスポーツ好きなこともあり、家族ですることが多いです。暖かい時期には週末にテニスをしたり、この冬は皆でスキーに行ったりしています。

スキー旅行での一枚

—「精神力を鍛える」ためにしていることがあれば教えてください。

娘は現地校に通っているので、文化の違いから心無い一言を言われたりすることもあります。そんなとき、一旦は気持ちを受け止めるけれど深く考えさせないようにしています。人とは考えが違って当たり前。自分が言われて嫌だったことは、他の子には自分から言わないようにすればいいし、一緒にいたくない子とはいなくていいんじゃない? と。

あとは、さきほどお話ししたこちらの子育てとは逆かもしれませんが、自分でやりたいと言って始めたことは、よほどのことがない限り続けなさいと伝えています。NYに来てから、より子どもたちにはタフでいてほしいと願うようになったので、「自分で選んだ=責任」の意味も理解してもらうために、そういうしつけにしています。

—効果は感じていますか?

そうですね、特に娘は貪欲であらゆることに前向きなので、「自分の意思で決めさせる」方針は合っていようです。

娘は今のところ勉強を楽しんでいて、私に言われなくても自らどんどんやっています。宿題は帰宅したらすぐ終わらせますし、私が問題集を机の上に置いておくと何も言わなくても取り掛かります。特に英語に対する学習意欲が強くて、勉強すればするだけ小学校のお友だちと楽しく遊べることを分かっているので、かなり熱心に取り組んでいます。

でも娘の頑張りに対し、私はそこまで積極的に褒めません。もともと褒めるのが得意ではないというのもありますが、せっかく自分から色々なことにチャレンジしているのに、一番近くにいる私が娘を褒めすぎてしまうと娘の性格的に、「あ、私ここまででいいんだ」とやる気に蓋をしてしまう気がするからです。私が褒めるのは「とっておき」のときだけ。今の娘には褒められるより、色々な経験を通じて自信を付けていく方が向いている気がします。

—息子さんはどうですか?

息子は対照的に、褒められないとダメな弟タイプなので(笑)、娘よりは褒めるようにしています。でも私が褒めるのは最低限にして、遠隔操作的に幼稚園の先生に褒めてもらっています。

たとえば、「◯◯ができるようになったんです」と幼稚園の連絡ノートに書いておき、それを先生に褒めてもらうとか。息子にはそのやり方が合っているようで、「先生に褒められた! だからボクもっと頑張る!」と気合いが入っています。こういうところでも、日系の幼稚園に入れて良かったと感じます。3〜4歳という成長著しい時期に褒められている実感があるのはいいことですよね。

今は「褒めすぎない」という教育方針にしていますけれど、年齢や状況に応じてどういう風にしていくかは変えていくと思います。

時々、娘さんとの連弾を楽しんでいるそうです

海外子育て最大のメリットは、

「異文化のいいとこ取り」ができること

—海外子育てを始めてみて、良かったと思うことがあれば教えてください。

一番は、いろいろな文化のいいとこ取りができることです。特にNYはありとあらゆる人種の方がいますので、すごく学びがあります。ただなかにはどうしても自分の価値観と合わないこともあるので、そういうものは無理せず、自分に合うものだけを吸収するようにしています。

たとえば私は子どもたちが食べ物を粗末にしたときに強く怒るんですけれど、こちらは結構平気でバンバン食べ物を捨てるんですね。娘の小学校ではよく平日に親も参加できるイベントを行っていて、そこでお菓子パーティーを開きます。多くの子どもたちは自分が「これ食べたい!」と言って紙皿にお菓子を山盛り取るのに、結局半分以上食べきれずそのままゴミ箱に捨ててしまうんです。自分の子にはそれが当たり前だと思ってほしくないので、「あなたたちは食べ物を粗末にしたらダメよ」と伝えています。

逆に素敵だなと思うのは、人前でも積極的に「sweet sweet」と言って自分の子どもを褒めたり、ハグしたりするところ。良いと思えることだけを自分のものにしていけるのが、海外子育ての最大の魅力ですね。

—お子さんたちはどうですか? 海外に来て変わったなと思いますか?

はい、2人とも日々いろいろな刺激を受けてすごく成長しました。NYには世界各国から人が来ていていろいろな文化や慣習が混じり合っているので、子どもたちなりに、「自分たちが今までいた環境(=日本)は当たり前じゃなかったんだ」と感じているところがあるんじゃないでしょうか。

でもやはり子どもなので、自分の知らないものに対してなかなか理解できず、否定的な発言をしてしまうこともあります。

そういう時には、「日本人だから正しいとか、日本人の基準で考えるとそれは間違っているとかそういうものじゃないんだよ。ハッキリ言って警察に捕まるようなことをしてない限り、自分と違うからといってそれを否定しちゃダメ。世界中にはいろいろな人がいるんだから、それをしっかりと理解して受け入れていこうね」と自戒を込めて話をしています。

こういうことを実感として学んでいけるのは、海外ならではですよね。子どもたちも毎日とても楽しいようで、日本にいた時以上にエネルギッシュになりました。

家族で夏休みにバミューダ諸島に旅行したときの一枚。
まとまった休みのときはなるべく遠出しているそうです

(後編おわり)

logo(final)

Kanakoさんから頂いたギフト
※LITTLE PUMPKINではお話を伺ったお母さん、お父さん、有識者の方から頂いた知恵やアドバイス、また取り組んでいらっしゃることなどを『ギフト』と呼んでいます。

1. 子どもの渡米に対する気持ちを前向きにしたのは、「大きいディズニーランドがあるよ!」の一言

2. 子どものモチベーションを維持し続ける秘訣は、あえて「褒めすぎない」

3.「異文化のいいとこ取り」をできるのが、海外子育て最大の魅力

お話を聞いて
Kanakoさんとは共通の知人を介してNYで知り合いました。初めてお会いしたときから、凛とした姿と物腰の柔らかさで一気にファンになってしまった私。それから家族ぐるみでの付き合いが始まり、年齢の近い友人としてだけでなく、ママの先輩としてもいろいろと教えていただいています。

Kanakoさんのお子さんたちは2人とも、とてもアメリカ生活を楽しんでいるように見えます。実は私も小さい頃一時的にシアトルで暮らしていたことがあるのですが、幼稚園に馴染めず途中から通わなくなってしまいました。それだけに2人がどうやって新しい環境に馴染んだのか、Kanakoさんが母親としてどんなサポートをしたのか聞いてみたいと思っていました。

インタビューで、Kanakoさんご自身が新しいことが大好きで、常に何か取り組んでいたいタイプだと知り、お子さんたちが前向きに新生活を楽しめている理由が分かった気がします。娘さんは小学校にたくさんお友だちができたようで、愛用のノート1ページ分ぎっしり書かれたお友だちリストを見せてくれたことがあります。息子さんもとても人懐っこくかわいらしい性格なので、これから通い始める現地の幼稚園でたくさんのお友だちができる気がします。ますますタフになっていくであろう2人のこれからが、本当に楽しみです!

Kanakoさんオススメの育児関連ウェブサイト&本

パワーママプロジェクト 

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▲オススメポイント!「日本にいたとき参加していた「パワーママプロジェクト」のウェブサイト。働くママのインタビューを集めたサイトですが、みなさん働き方は様々。フルタイムだったり、時短だったり、フリーだったり。その時々の自分の気分に合ったものを読み返したりもしています。」

前編(渡米は卒園直前。”ディズニーランド作戦”で、子どもの気持ちを前向きに変えた)はこちら

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